ポリウレアの化学

ポリウレアの特徴

ポリウレアとは、イソシアネートとアミノ基との化学反応によって生成されるウレア結合が主体となっているポリマー樹脂です。硬化時問はきわめて早く、無溶剤・無触媒なので環境にやさしい材料で、以下に示すような特性を持っているため、幅広い産業利用が可能です。

イソシアネート成分

イソシアネートはR-N=C=O構造を持つ化合物の総称で、様々な種類があります。異性体の存在も考慮しなければなりません。例えばポリウレアのイソシアネート成分の中心材料であるジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)でも2,2′-MDI、2,4′-MDI、4,4′-MDIの3種類の異性体が存在します。

アミン成分

アミン成分は①脂肪族一級アミン ②芳香族一級アミン ③脂肪族二級アミンが用いられます。それらに分類されるアミン化合物も多種多様です。

ポリウレア材料のレシピは複数種類のイソシアネート成分と複数種類のアミン成分との組み合わせによって決定するので天文学的な数にのぼります。用途や目的に最適なポリウレア材料を得るためのレシピ開発は、イソシアネート成分とアミン成分の特性を熟知し、さらに豊富な経験を有していることが不可欠です。

ポリウレタンはアミン成分を用いずにアルコール(ポリオール)をイソシアネート成分と反応させて生成します。反応性は以下の表に示す通りです。