イソシアネートの安全対策

厚生労働省労働基準局 基安発0801第2号 平成24年8月1日
  労働者の健康障害防止対策の徹底として、イソシアネートは以下の対策を講じるよう指導されています。

  予防的措置として呼吸用保護具の使用等を指導すべき物質
  メチレンビス(4,1-フェニレン)=ジイソシアネート(以下「MDI」という)は、リスク評価の結果、事業場において高いリスクは確認されなかった。ただし、MDIは呼吸器感作性を有する物質であり、単回ばく露によっても労働者の健康障害が懸念されることから、リスク評価の過程において、予防的対策の必要性が指摘された。また、今回実施したばく露実態調査においては、リスク評価の評価値を上回るような労働者のばく露は見られなかったが、MDIを製造する事業場における廃液処理と分析の作業、及び製品に充填するポリウレタンの原料としてMDIを使用する事業場でMDIを製品に注入する作業において、比較的高い気中濃度が見られた。このため、これらの作業については、防じん機能付有機ガス用防毒マスクの使用等適切な健康障害防止措置を講ずること。 (資料より)

ウレタン原料工業会資料
  ポリウレタン原料について 安全取扱の手引き
  資料をご一読ください。

作業所に貼っておくとよい資料
  独立行政法人 労働者健康福祉機構 神奈川産業保健推進センターが作成しているMDI取扱マニュアルです。
  資料を印刷して作業所に貼っておきましょう。

イソシアネート測定装置・測定バッジ

  測定装置  VOC, ISOCYANATE AND OZONE MONITORS

  測定バッジ About Isocyanate Detection & SafeAir® Aromatic Isocyanates Badges

イソシアネート感作の応急処置

ウレタン原料工業会 安全取扱いの手引き 2014年4月[第7版]出典)より

(1)目に入った場合ポリイソシアネートやイソシアネート基末端プレポリマーが目に入った場合、激しい痛みがおこり、視力障害をおこすことがあります。ごく少量でも、直ちに流水で15分間以上洗眼してください。コンタクトレンズを使用していて容易に外せる場合は、外してその後も洗浄を続けてください。洗浄後眼科医の診察を受けてください。

(2)皮膚に付着した場合ポリイソシアネートやイソシアネート基末端プレポリマーが皮膚に付着した場合、そのままにしておくと、皮膚が赤く腫れて水庖ができることがあります。直ちに水と石鹸でよく洗ってください。汚染された衣類はすべて脱いでください。皮膚に多量に付着した場合には、シャワーの下で汚染した衣類を脱がせ、石鹸でよく洗った後、医師の診察を受けてください。また、皮膚刺激や発疹が生じた場合または気分が悪い時は、直ちに医師の診察を受けてください。汚染した衣類を再使用する場合には洗濯をしてください。

(3)飲み込んだ場合ポリイソシアネートやイソシアネート基末端プレポリマーを飲み込んだ場合、口・食道・胃等の粘膜を侵すことがあります。直ちに水で口の中を洗った後、約250mlの水または牛乳を与え胃内を薄めてください。また、無理に吐かせないでください。患者に意識がない場合には、口から何も与えないでください。速やかに医師の治療(胃洗浄)を受けてください。

(4)吸入した場合ポリイソシアネートの蒸気やミストを吸入した場合、喉の痛みや激しい咳をおこすことがあります。空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で安静にさせてください。直ちに医師の診察を受けてください。呼吸が止まっている場合は、衣服をゆるめ気道を確保した上で人口呼吸を行ってください。咳・たん等がひどい場合は、速やかに医師の診察を受けてください。